タイ滞在中に知っておきたい性感染症(STI)の基礎知識
タイは観光、長期滞在、移住などで多くの外国人が訪れる国です。一方で、海外生活では日本と医療事情や文化が異なるため、自分の体を守るための正しい知識を持っておくことがとても重要になります。
中でも 性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections) は、話題にしにくいテーマでありながら、誰にでも関係する可能性がある身近な健康問題です。本記事では、タイで生活・滞在する際に知っておきたい
性感染症の種類・予防方法・治療の流れについて、薬局スタッフの視点からわかりやすく解説します。
性感染症(STI)と性病(STD)の違いについて
近年は「性病(STD)」よりも 性感染症(STI) という表現が国際的に主流です。
STD(Sexually Transmitted Diseases)
病気として症状が出ている状態を指す表現
STI(Sexually Transmitted Infections)
感染している状態全体を含む表現(無症状も含む)
多くの性感染症は 無症状のまま感染が進行 することがあり、「症状がない=感染していない」とは限りません。そのため現在は、WHOや各国保健機関でも STI という表記が用いられています。
性感染症(STI)の代表例
性感染症とは、主に性行為を通じて感染する病気の総称です。
タイでも比較的よく知られている性感染症には、以下のようなものがあります。
なお、治療法については国により異なるため、医師へご相談いただくことをおすすめいたします。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、日本でも最も感染者数が多い性感染症のひとつとされています。
男女ともに自覚症状が乏しい点が大きな特徴です。
原因:クラミジア・トラコマチス(細菌)
男性の主な症状:
初期段階で排尿時の痛みや尿道のかゆみ、普段とは異なる違和感を覚えることがあります。また、尿道から膿状または透明な分泌物がみられる場合もあります。症状が進行すると、発熱を伴う精巣上体の腫れ(精巣上体炎)を発症することがあります。
女性の主な症状:
おりものの量の増加、下腹部の痛み、不正出血などがみられることがあります。
ただし、女性は無症状のまま経過するケースが多く、気付かないうちに病状が進行することもあります。
注意点:
放置すると不妊の原因となる場合があります
症状がないからといって問題がないとは限らないため、定期的な検査が重要です。
潜伏期間は数日〜約5週間とされており、感染の可能性があった日から24時間以降であれば検査が可能です。
治療には主に抗菌薬が用いられ、服用終了後は約1か月を目安に治癒確認検査を行うことが勧められています。
淋菌感染症(淋病)
クラミジアと同時に感染していることも多い性感染症です。
原因:淋菌(細菌)
男性の主な症状:
排尿時の強い痛み、尿道の違和感やかゆみ、黄色や白色の膿が出ることがあります。
症状が進行すると、下腹部や精巣に痛みが出る場合もあります。
女性の主な症状:
おりものの量や色、においの変化、下腹部の痛み、不正出血、排尿時の違和感などがみられることがあります。
ただし、女性では自覚症状が乏しいことも少なくありません。
注意点:
近年、薬が効きにくい耐性菌が増加していることが問題となっています。
症状が出やすい反面、放置すると合併症のリスクが高まるため、早めの検査と治療が重要です。
梅毒
梅毒は、近年あらためて感染者数が増加していることで注目されています。
原因:梅毒トレポネーマ(細菌)
主な症状:
初期には、感染部位に痛みのない硬いしこりが現れることがありますが、自然に消えることも多く、見逃されがちです。
その後、菌が全身に広がると、体に赤い発疹が出現し、特に手のひらや足の裏に出るものは「バラ疹」と呼ばれます。
さらに年数が経過すると、全身に硬いこぶ状の病変(ゴム腫)が形成されることがあります。
注意点:
治療が遅れると、全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
初期症状が軽いため、検査が非常に重要です。
HIV
HIVは、免疫機能に影響を与えるウイルス感染症です。
原因:HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
主な症状:
感染初期には、発熱、のどの痛み、全身のだるさ、筋肉痛、関節痛など、インフルエンザに似た症状がみられることがあります。
その後、治療を行わず免疫機能が低下すると、さまざまな感染症や体調不良が現れるようになります。
注意点:
早期発見と継続的な治療により、日常生活を送ることは十分可能です。
タイでは、リスクのある行為後72時間以内に開始することで感染リスクを下げる曝露後予防(PEP)も利用可能です。
性器ヘルペス
性器やその周辺に症状が現れる、ウイルス性の性感染症です。
原因:単純ヘルペスウイルス(HSV-1 または HSV-2)
主な症状:
性器や口の周囲に水疱ができ、初めて感染した際には強い痛みや発熱を伴うことがあります。
注意点:
無症状でも感染する可能性があり、再発しやすい特徴があります。
一度感染すると体内に潜伏しますが、適切な治療と管理により、日常生活は十分に送れます。
HPV(ヒトパピローマウイルス)
HPVは非常に感染力が高く、性交経験があれば誰でも感染する可能性があります。
原因:HPV(ヒトパピローマウイルス)
主な症状:
多くの場合は無症状ですが、一部ではイボができたり、将来的な病気の原因となることがあります。
注意点:
ワクチンによって予防可能なタイプもあり、特に女性は定期的な検診が重要とされています。
性感染症の予防方法
基本的な予防のポイント
①コンドームを正しく使用する
②不安な行為があった場合は早めに検査を受ける (BLEZ Clinicでも検査・治療が可能です)
③複数のパートナーがいる場合は特に注意する
③体調の変化や違和感を放置しない
また、免疫力を保つ生活習慣も間接的な予防につながります。
睡眠不足、ストレス、栄養バランスの乱れが続くと、体の抵抗力が落ちやすくなります。日頃から、十分な休息・バランスの良い食事・体調管理を心がけることが大切です。
性感染症の治療法(病院・クリニック)

タイでの一般的な治療の流れ
①病院・クリニックで診察・検査
②医師による診断
③病気の種類に応じた薬の処方(内服・注射など)
④治療後の確認検査(治癒確認)
※ 症状が改善しても、確認検査を受けることが非常に重要 です。
特にクラミジア・淋病・梅毒などは、治療後の再検査が推奨されています。
BLEZ Clinicでも検査・治療が可能です
まとめ
性感染症(STI)は特別な人だけの問題ではなく、誰にでも起こりうる身近な健康リスクです。
特にタイでの生活や滞在中は、日本とは環境や医療システムが異なるため、正しい知識と早めの対応が安心につながります。
・症状がなくても油断しない
・不安を感じたら検査や医療機関へ
・国による治療の違いを理解し、自己判断しない
・治療後の確認検査まで行う。
・日頃から体調管理と予防意識を持つ
ブレズ薬局では、体調管理や健康に関する一般的なご相談を日本語で対応しています。
「病院に行く前に少し相談したい」「タイの医療事情が不安」という方も、お気軽にご相談ください。
正しい知識を味方につけて、タイでの毎日を安心・快適に過ごしましょう。
・ブレズ薬局の店舗にて直接ご相談
※現在日本語通訳常駐店舗は「アソーク店」「ソイ33/1漢方薬局」でございます。その他店舗では、お電話にて日本語通訳サービスを行っております。
・ブレズ薬局公式LINEのお問い合わせ
※日本語によりご返信を行っております。お気軽にお問い合わせください。

監修:ブレズ薬局

本記事は、タイ・バンコクを中心に多数の店舗を展開する「ブレズ薬局」の監修のもと作成されています。ブレズ薬局では、日本語通訳スタッフが常駐するアソーク店およびソイ33/1店をはじめ、日本人のお客様が安心して医薬品を購入・相談できる環境を整えています。「言葉が通じる安心感」から、在住者・旅行者問わず10年以上にわたり多くの日本人の皆さまにご利用いただいております。
また、ブレズグループではアソークとプロンポンにクリニックも併設しており、日本語通訳スタッフが常駐する中、気軽に受診できる体制を整えています。健康やお薬に関するお悩みがある方は、薬局・クリニックの両面からサポートいたします。


