タイにムヒはある?蚊に刺された時のかゆみ止めを薬局スタッフが紹介
タイで生活していると、気になる存在のひとつが「蚊」です。
「タイで蚊に刺されたけれど、ムヒは売っている?」
「日本から持ってきたムヒがなくなってしまった」
「タイでは蚊に刺されたら何を塗ればいい?」
といったご相談を特にいただくことがあります。
日本では「蚊に刺されたらムヒ」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、タイで同じような薬を探す場合は商品名だけではなく、「どのような成分が入っているのか」「かゆみと腫れのどちらが強いのか」を確認することがポイントです。
また、タイでは日本とは異なる種類の蚊も生息しており、デング熱などの蚊が媒介する感染症にも注意する必要があります。
本記事では、タイと日本の蚊の違い、日本のムヒに含まれる成分、タイで蚊に刺されたときに選択肢となる西洋薬やタイハーブの外用薬について、薬局スタッフの視点からご紹介します。
※本記事は一般的な健康情報です。皮膚症状や適した医薬品は個人によって異なります。症状が強い場合や発熱などを伴う場合は、自己判断せず医療機関へご相談ください。
タイの蚊事情|日本とは種類も少し違う?
タイで注意したい「ネッタイシマカ」

日本でもタイでも蚊は身近な存在ですが、生息している種類や蚊が媒介する感染症には違いがあります。
タイを含む熱帯・亜熱帯地域で特に注意したいのがネッタイシマカ(Aedes aegypti)です。
WHOによると、デングウイルスは主にネッタイシマカによって媒介され、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)も媒介することがあります。
ネッタイシマカは人の生活する都市部にも適応しており、デング熱対策では重要な蚊とされています。
WHOの2026年の報告でも、ネッタイシマカとヒトスジシマカは熱帯・亜熱帯の都市部で生息し、デング熱を媒介する蚊として挙げられています。
日本にもヒトスジシマカはいる
一方、日本で身近な蚊のひとつがヒトスジシマカです。
厚生労働省によると、ヒトスジシマカは日本の本州以南のほとんどの地域でみられ、デングウイルスを媒介する能力もあります。
大きな違いのひとつは、デング熱の主要な媒介蚊であるネッタイシマカが、日本には現在常在していないことです。
つまり、
日本:ヒトスジシマカなどが生息。ネッタイシマカは常在していない
タイ:ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどが生息し、デング熱対策が重要
という違いがあります。
また、タイ保健省の資料では、タイではデング熱が継続的な公衆衛生上の課題となっており、蚊の発生源を減らすなどの対策が行われています。
そのためタイでは、「刺された後に何を塗るか」だけではなく、できるだけ蚊に刺されないようにすることも重要です。
日本の「ムヒ」には何が入っている?
実は「ムヒ」にもいろいろある
「ムヒ」とひとことで言っても、製品によって配合されている成分は異なります。
例えば、池田模範堂の「ムヒS」には有効成分として
- ジフェンヒドラミン:かゆみを抑える成分
- グリチルレチン酸:炎症を抑える成分
- ℓ-メントール:清涼感
- dℓ-カンフル:清涼感
- イソプロピルメチルフェノール
が配合されています。
「タイでムヒのような薬が欲しい」という場合は単に虫刺されの薬を探すだけでなく、
「かゆみを抑えたい」
「赤みや腫れも気になる」
「ムヒのような清涼感が欲しい」
など、自分が何を求めているのかを薬剤師に伝えると、商品を選びやすくなります。
ステロイドが入ったムヒもある
ムヒシリーズの中には、ステロイド成分を配合した製品もあります。
例えば「液体ムヒS2a」には、抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩に加え、デキサメタゾン酢酸エステルというステロイド成分が配合されています。
さらに、強い虫刺されなどを対象とした「ムヒアルファEX」には、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)が配合されています。
つまり日本で普段何気なくムヒと呼んでいる薬でも、製品によってステロイドの有無や成分が異なるということです。
タイで代わりの薬を探す際も、ムヒとまったく同じものを探すというより、現在の症状や、日本で使用していた製品の成分を確認しながら選ぶことが大切です。
タイで蚊に刺されたら何を塗る?
かゆみが強い?それとも腫れ・炎症が強い?

蚊に刺されたときの反応には個人差があります。
蚊の唾液に含まれる成分に対する皮膚反応によって、かゆみや膨らみなどが生じます。
医学文献では、蚊による皮膚反応にはヒスタミンなどが関与しており、治療の選択肢として抗ヒスタミン薬や外用ステロイドが挙げられています。
タイの薬局で塗り薬を選ぶ場合も、
「かゆみが中心なのか」「赤みや腫れ、炎症が強いのか」を確認することがポイントになります。
かゆみを抑える成分を含む外用薬や、炎症が強い場合にはステロイドを含む外用薬が選択肢になる場合があります。
ただし、ステロイド外用薬は強さや使用する部位、年齢などによって適切な選択が異なります。自己判断で長期間使用せず、薬剤師や医師に相談して選びましょう。
「かゆみをしっかり抑えたい」なら西洋薬も選択肢
筆者自身もタイでは蚊に刺されることが多いのですが、かゆみが強いときには、有効成分を確認して西洋薬のかゆみ止めを選ぶことがあります。
一方、タイで販売されている外用薬の中には、日本のムヒSのようにメントールなどによる強い清涼感を特徴としていない製品もあります。
そのため「とにかくかゆみを何とかしたい」という場合と、
「ムヒを塗ったときのようなスーッとした使用感が欲しい」
という場合では、選ぶ商品が異なることがあります。
薬局で相談するときには、「蚊に刺されてかゆい」「かなり腫れている」「冷たい使用感が欲しい」など、希望を伝えてみてください。
タイらしい虫刺されの塗り薬も
小さな缶のZAM-BUK(แซม-บัค)

タイで見かける外用薬のひとつが、ZAM-BUK(แซม-บัค/ザンバック)です。
小さな缶に入った緑色の軟膏を見たことがある方もいるかもしれません。
タイFDAの医薬品データベースには「ZAM-BUK」の外用軟膏が登録されており、製品によってカンフル、ユーカリ油などが有効成分として登録されています。
小さな容器なので、バッグなどに入れて持ち歩きやすいのも特徴です。
筆者自身も蚊に刺されたときに使用したことがあります。
個人的な使用感としては、軽い虫刺されのときには手軽に使いやすい一方、筆者は蚊に刺されたときのかゆみが強く出やすいため、強いかゆみがあるときには少し物足りなく感じることもありました。
これはあくまで筆者個人の使用感であり、感じ方には個人差があります。
スーッとした使用感ならWANGPROMの緑色オイル

もうひとつタイらしい商品が、สมุนไพร วังพรม ยาน้ำมันสีเขียว(WANGPROM HERB GREEN OIL)です。
タイFDAには「Compound Saledphangphon Green Oil Cool Formula Wangprom Herb Brand」という名称で、虫刺されによるかゆみを緩和する目的の外用ハーブ薬として登録されています。
液体タイプの緑色の薬用オイルで、筆者自身は塗った後のスーッとした使用感とハーブ系の香りが印象的だと感じています。そのため、ムヒを使ったときのような「ひんやり・スーッとした使用感が好き」という方には、タイならではの選択肢のひとつになるでしょう。
ただし、清涼感があることと、強いかゆみや炎症に適した薬であることは同じではありません。
かゆみや腫れが強い場合には、症状に応じた抗ヒスタミン成分やステロイド成分などを含む医薬品が適している場合もあります。
どれを使用すればよいか分からない場合は、薬局で症状を見せて相談することをおすすめします。
蚊に刺された後の「発熱」には注意
タイで蚊に刺された場合、虫刺されそのもののかゆみだけでなく、デング熱などの蚊媒介感染症についても知っておきましょう。
もちろん、蚊に刺されたからといってデング熱になるわけではありません。
一方、WHOによると、デング熱では感染した蚊に刺されてから通常4~10日の潜伏期間を経て、高熱、頭痛、目の奥の痛み、筋肉・関節痛、吐き気、発疹などが現れることがあります。

タイ滞在中や帰国後に、
- 高い発熱
- 強い頭痛
- 目の奥の痛み
- 筋肉や関節の痛み
- 吐き気・嘔吐
- 発疹
などが現れた場合は、単なる「蚊に刺された後の体調不良」と自己判断せず、タイへの渡航・滞在歴と蚊に刺された可能性を医療機関へ伝えて受診してください。
また、呼吸が苦しい、顔や口の周りが大きく腫れる、意識状態がおかしいなどの症状がある場合も、速やかな医療機関への相談が必要です。
まとめ
タイで蚊に刺されたとき、日本で使い慣れた「ムヒが欲しい」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、ムヒ自体にも複数の種類があり、製品によって
- かゆみを抑える成分
- 炎症を抑える成分
- ステロイド成分
- メントールやカンフルなどの清涼感を与える成分
などが異なります。
そのためタイで虫刺され薬を探す際には、商品名だけでなく「かゆみが強いのか」「腫れや赤みが強いのか」「スーッとした使用感が欲しいのか」を基準に選ぶことがポイントです。
タイには西洋薬の外用薬だけでなく、ZAM-BUKやWANGPROMの緑色オイルなど、タイならではの外用薬もあります。
ただし、かゆみや腫れが強い場合、掻き壊して化膿している場合、症状が広がっている場合などは、自己判断で薬を使い続けず、薬剤師や医療機関へ相談してください。
ブレズ薬局でも、
「タイでムヒの代わりになるものはありますか?」
「蚊に刺されてすごくかゆいです」
「腫れているので、ステロイド入りの薬が必要ですか?」
など、虫刺されの塗り薬についてご相談いただけます。
日本で使用していた商品がある場合は、商品名やパッケージの写真をお見せいただくと、成分を確認しながらタイで取り扱いのある製品をご案内しやすくなります。
・ブレズ薬局の店舗にて直接ご相談
※現在日本語通訳常駐店舗はアソーク店でございます。その他店舗では、お電話にて日本語通訳サービスを行っております。
・ブレズ薬局公式LINEのお問い合わせ
※日本語によりご返信を行っております。お気軽にお問い合わせください。
監修:ブレズ薬局

本記事は、タイ・バンコクを中心に多数の店舗を展開する「ブレズ薬局」の監修のもと作成されています。ブレズ薬局では、日本語通訳スタッフが常駐するアソーク店およびソイ33/1店をはじめ、日本人のお客様が安心して医薬品を購入・相談できる環境を整えています。「言葉が通じる安心感」から、在住者・旅行者問わず10年以上にわたり多くの日本人の皆さまにご利用いただいております。
また、ブレズグループではアソークにクリニックも併設しており、日本語通訳スタッフが常駐する中、気軽に受診できる体制を整えています。健康やお薬に関するお悩みがある方は、薬局・クリニックの両面からサポートいたします。

