タイで糖尿病と付き合うには?食生活・薬について薬局スタッフが解説
タイで生活していると、
「タイ料理は甘いものが多いけれど、糖尿病が心配」
「糖尿病の治療中だけど、タイでは食事をどうすればいい?」
「日本で飲んでいる糖尿病の薬はタイでも手に入る?」
といった疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
タイ料理には野菜やハーブを使った料理が多い一方、ご飯や麺類を主食とする食文化があり、料理や飲み物によっては砂糖を多く使用するものもあります。
また、糖尿病はタイでも身近な健康課題のひとつです。
International Diabetes Federation(IDF)の2024年推計では、タイの20~79歳の糖尿病患者は約636万人とされています。
本記事では、糖尿病の基本的な知識からタイの現状、タイで生活しながら取り入れやすい食事・運動のポイント、治療中の方がお薬を用意するときの注意点まで、薬局スタッフの視点からわかりやすくご紹介します。
※本記事は一般的な健康情報を目的としています。糖尿病の診断・治療、食事療法、薬の変更については医師などの医療専門職へご相談ください。
糖尿病とは?タイでも身近な生活習慣病
糖尿病とは

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の値が慢性的に高くなる病気です。
食事から摂取した炭水化物などは体内でブドウ糖となり、重要なエネルギー源として利用されます。
この血糖を調節するうえで重要なのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。
インスリンが十分に作られなかったり、インスリンがうまく作用しなくなったりすると、血糖値が高い状態が続くことがあります。
糖尿病には1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病などがありますが、WHOによると糖尿病患者の95%以上は2型糖尿病です。
2型糖尿病には遺伝的な要因に加え、過体重、運動不足などさまざまな要因が関係しています。
糖尿病は初期には目立った症状がない場合もありますが、血糖値が高い状態が長期間続くと、心血管疾患、腎臓、目、神経などに関わる合併症につながる可能性があります。
そのため、「症状がないから大丈夫」と考えず、健診や血液検査などで定期的に確認することが大切です。
タイは約10人に1人が糖尿病
糖尿病は世界的に増加しています。
WHOによると、世界の糖尿病患者数は1990年の約2億人から、2022年には約8億3,000万人まで増加しています。
タイも例外ではありません。
IDF Diabetes Atlasの2024年推計では、タイでは20~79歳の約10人に一人の約636万人が糖尿病を抱えていると推計されています。
糖尿病は「日本人だけが注意すればよい」「欧米人に多い」というものではなく、タイでも重要な健康課題となっています。
タイ生活では「甘い飲み物」にも注目

タイで食生活を考えるとき、料理だけではなく飲み物にも目を向けてみましょう。
タイでは、
- タイミルクティー
- アイスコーヒー
- フルーツジュース
- スムージー
- 炭酸飲料
など、冷たい飲み物を楽しむ機会が多くあります。
一方、タイのドリンクは通常の甘さで注文すると、日本人にとっては「かなり甘い」と感じることもあります。 筆者自身も、カフェでドリンクを注文する際は「甘さ控えめ」を選ぶことが多くなりました。
最近では、注文時に店員さんから甘さの好みを聞かれたり、「100%・70%・50%」など、好みに合わせて甘さのレベルを選べたりするカフェもあります。
タイで甘い飲み物を楽しむ際は、毎回通常の甘さで注文するのではなく、甘さを調整できる場合は「甘さ控えめ」を選んでみるのも、糖分の摂取量を意識するひとつの方法です。
暑い日に甘くて冷たいドリンクは魅力的ですが、商品によっては砂糖やシロップなどが多く使用されています。
また、タイ料理ではご飯や麺類などの炭水化物を食べる機会も多いため、糖尿病が気になる方は「甘いものだけ食べなければ大丈夫」と考えるのではなく、一日の食事全体のバランスを意識することが重要です。
タイでできる糖尿病対策
「タイ料理=食べてはいけない」ではありません
糖尿病対策というと、
「ご飯を食べてはいけない」
「甘いものは全部禁止」
「タイ料理は食べられない」
と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、食事は特定の食品だけを見るのではなく、食べる量や組み合わせ、食事全体のバランスを考えることが大切です。
WHOも、健康的な食生活の基本として、さまざまな食品をバランスよく取り入れ、遊離糖類(料理や飲料に加える糖類、果汁、ハチミツなど )、塩分、不健康な脂質などを控えることを推奨しています。
タイで食事をするときに意識したいポイント

タイでの食生活では、例えば次のような工夫があります。
- 甘い飲み物を毎日の習慣にしない
- 水や砂糖を加えていない飲み物を選ぶ
- ご飯や麺の量を意識する
- 野菜を使った料理も組み合わせる
- 魚、肉、卵、豆類などのたんぱく質を取り入れる
- 間食やデザートの頻度・量を意識する
タイ料理を楽しみながら、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
特に外食が中心になるタイ生活では、「何を完全に禁止するか」よりも、「普段どのくらい食べているか」を一度見直してみるのもよいでしょう。
タイ語で「甘くしない」を覚えておくと便利

タイのカフェや飲食店では、飲み物の甘さを調節できる場合があります。
甘さを控えたい場合は、
「หวานน้อย(ワーン・ノーイ)」=甘さ控えめ
「ไม่หวาน(マイ・ワーン)」=甘くしない
と伝えてみるのも一つの方法です。
ただし、「甘さ控えめ」にしても糖質がゼロになるわけではありません。もともとの材料に糖質が含まれている飲み物もあるため注意しましょう。
運動も大切

食生活とともに意識したいのが運動です。
WHOでは、成人に対して週150~300分程度の中強度の有酸素運動、または週75~150分程度の高強度の有酸素運動などを推奨しています。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。
タイ生活であれば、
- 涼しい時間帯にウォーキングする
- ショッピングモール内を歩く
- コンドミニアムのジムを利用する
- 水泳をする
- 座っている時間を減らす
など、生活の中で体を動かす機会を増やす方法もあります。
特にバンコクでは暑さが厳しいため、無理に炎天下を歩く必要はありません。暑い時間帯は避け、水分補給をしながら安全に運動しましょう。
糖尿病治療中の方は、使用している薬やインスリン、合併症などによって運動時に注意が必要な場合があります。新しく運動を始める場合は、必要に応じて医師へ相談してください。
タイで糖尿病と付き合うには
定期的に血糖値などを確認する
糖尿病は、一度の血糖値だけを見て管理するものではありません。
医師の指示に従い、
- 血糖値
- HbA1c
- 血圧
- 脂質
- 腎機能
- 目の状態
- 足の状態
などを定期的に確認することが重要です。
WHOも、糖尿病について、食事・身体活動・薬物療法に加えて、合併症の定期的なスクリーニングと治療が重要であるとしています。
タイに長期滞在する方は、「薬がなくなったときだけ医療機関へ行く」のではなく、継続して健康状態を確認できる医療機関を見つけておくとよいでしょう。
日本で服用している糖尿病薬はタイにもある?

タイへ移住・長期滞在される方から、
「日本で飲んでいる糖尿病の薬をタイでも購入できますか?」
というご相談をいただくことがあります。
同じ有効成分・含有量の医薬品や代替となる製品がタイで流通している場合もありますが、日本とタイでは販売されている商品名や規格、承認・販売状況が異なります。
そのため、「日本の商品名がない=同じ成分の薬がない」とは限りません。
ブレズ薬局へお問い合わせいただく際は、可能であれば、
- 処方箋
- お薬手帳
- 薬のパッケージ
- 有効成分名
- 1錠あたりの含有量
- 1日の服用回数
などが分かるものをご用意ください。
日本で処方されている糖尿病薬の処方内容をご連絡いただけましたら、タイで取り扱いのある薬か確認させていただきます。
ただし、糖尿病の薬は血糖値や腎機能、その他の疾患、併用薬などを考慮して選択されます。
自己判断で薬を変更したり、服用量を増減したり、中止したりせず、治療内容については医師へご相談ください。
タイ旅行中も薬は忘れずに
糖尿病治療中の方がタイ旅行をする場合は、普段服用している薬を十分に準備しておくことも大切です。
特にインスリンなど温度管理が必要な医薬品を使用している場合は、保管方法について事前に医師・薬剤師へ確認しておきましょう。
また、
- 薬の名前
- 有効成分
- 使用量
- 英文の処方内容や診断情報
などを確認できる資料を持っておくと、タイ滞在中に医療機関を受診する際にも役立ちます。
こんな症状がある場合は医療機関へ
糖尿病では症状が目立たないこともありますが、
- 強いのどの渇きが続く
- 尿の回数や量が増えた
- 原因が分からない体重減少がある
- 強い疲労感が続く
- 傷が治りにくい
- 見え方に変化がある
などが気になる場合は、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。
また、糖尿病治療中に意識がもうろうとする、けいれんする、反応がおかしいなどの症状がある場合は、低血糖など緊急性のある状態も考えられるため、速やかに医療機関へ連絡してください。
Summary
糖尿病はタイでも多くの方が抱えている身近な健康問題です。
タイで糖尿病と付き合っていくためには、特別なことをするというよりも、
- 甘い飲み物の量を意識する
- ご飯や麺類などを含め食事全体のバランスを考える
- 野菜やたんぱく質も組み合わせる
- 定期的に体を動かす
- 血糖値やHbA1cなどを定期的に確認する
- 処方された薬を自己判断で変更・中止しない
といった日々の管理を続けることが大切です。
タイ料理やタイでの生活を楽しみながら、自分に合った方法で無理なく続けていきましょう。
ブレズ薬局では、日本で処方されている糖尿病薬についてもご相談いただけます。
処方箋やお薬手帳など、現在使用している薬の内容が分かるものをご連絡いただけましたら、タイで取り扱いのある医薬品か確認させていただきます。
なお、診断や治療方針の決定、薬の変更などが必要な場合には、医療機関の受診をご案内する場合があります。
・ブレズ薬局の店舗にて直接ご相談
※現在日本語通訳常駐店舗はアソーク店でございます。その他店舗では、お電話にて日本語通訳サービスを行っております。
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Supervised by: Blez Pharmacy

This article was created under the supervision of Blez Pharmacy, which operates numerous stores primarily in Bangkok, Thailand. At Blez Pharmacy, we strive to provide an environment where Japanese customers can feel secure purchasing pharmaceuticals and seeking advice, including at our Asoke and Soi 33/1 stores which have permanent Japanese-speaking staff. Trusted for over a decade by both residents and travelers for the “peace of mind of being able to communicate in Japanese.”
また、ブレズグループではアソークにクリニックも併設しており、日本語通訳スタッフが常駐する中、気軽に受診できる体制を整えています。健康やお薬に関するお悩みがある方は、薬局・クリニックの両面からサポートいたします。


