ヤードムの使い方・成分・注意点とは? タイ人の日常に根付く“嗅ぐハーブ”を薬局スタッフが解説
タイ旅行やタイ生活の中で、一度はタイ人の方が小さな筒状のアイテムを鼻に当てている光景を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
それが、タイで広く親しまれているヤードム(ยาดม)です。
コンビニや薬局、スーパーなど、タイでは非常に身近な存在で、眠気覚ましや気分転換、暑さによるだるさを感じたときなどに使われています。
一方で、日本人の方からは
「どうやって使うの?」 「鼻に入れて大丈夫?」 「日本のミント系商品と何が違うの?」
といった質問をいただくことも少なくありません。
本記事では、薬局スタッフの視点から、タイのヤードムの基本知識・歴史・正しい使い方・注意点について、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
タイのヤードムとは
ヤードム(ยาดม)の基本
ヤードムとは、タイ語で
- ยา(ヤー)=薬
- ดม(ドム)=嗅ぐ
を意味する言葉で、直訳すると嗅ぎ薬になります。
メントールやユーカリ、カンファー(樟脳)など、清涼感のある香り成分を含んだ吸入タイプのハーブ製品で、タイでは非常に身近な存在です。
特にタイは高温多湿の環境のため、
- 暑さによるだるさ
- 眠気
- 軽いめまい感
の解消や気分転換などを目的として使用されることがあります。
小型で持ち運びしやすいため、バッグやポケットに入れているタイ人も多く、電車・オフィス・学校・屋外作業など、さまざまな場面で見かけます。
ヤードムに多く含まれる成分
ヤードムにはさまざまな種類がありますが、多くの製品で共通して使われている代表的な成分があります。
メントール(Menthol)

ハッカ由来の成分で、スーッとした清涼感が特徴です。
鼻づまり時の不快感軽減や、リフレッシュ目的で使用されることがあります。
ユーカリオイル(Eucalyptus oil)

爽やかな香りが特徴で、呼吸をスッキリさせるような感覚があります。
カンファー(樟脳)

独特の刺激感があり、タイの伝統的なハーブ製品によく使われています。
これらが組み合わさることで、ヤードム特有の“タイらしいハーブの香り”が生まれています。
ヤードムの歴史
タイで長く親しまれてきた理由
ヤードムは、タイで古くから親しまれてきた伝統的なハーブ文化のひとつです。
現代のようにエアコンや冷却グッズが普及する前から、暑さ対策や気分転換として使われてきました。
また、タイではハーブを日常生活に取り入れる文化が根付いており、
- ヤードム
- ヤーモン(ハーブ外用バーム)
- ハーブティー
- ハーブサウナ
など、植物由来のアイテムが身近な存在として使われています。
ヤードムもそのひとつで、「具合が悪い時だけ使うもの」というより、日常的なセルフケア用品として広く親しまれています。
近年は“タイ土産”としても人気
以前はタイ人の日用品というイメージが強かったヤードムですが、近年では日本人観光客のお土産としても人気が高まっています。
理由としては、
- 小さく軽い
- 比較的リーズナブル
- タイらしさがある
- 香りの種類が豊富
などが挙げられます。
特に有名ブランドの
- Poy-Sian
- Peppermint Field
- Hong Thai
などは、日本人旅行者の間でも知名度が高まっています。
最近では、おしゃれなデザインやマイルドな香りの製品も増えており、「昔ながらの薬っぽい香りが苦手」という方でも試しやすくなっています。
日本への持ち出し制限について
以前日本の薬事法で覚せい剤の原料とされる可能性から禁止されているLデソキシェフェドリン(l-desoxyephedrine)という成分が配合されていて、ヤードムを日本に持って帰れない話がありました。今ではこの成分はほとんどのヤードムで含まれていないとのことです。
ヤードムの使い方
基本的な使い方

ヤードムは、基本的には鼻に近づけて香りを吸い込む形で使用します。
強い香り成分が含まれているため、鼻の奥まで入れなくても、軽く近づけるだけで十分香りを感じられることが多いです。
使用される場面としては、
- 眠気を感じたとき
- 気分転換したいとき
- 暑さでぼんやりするとき
- 長時間移動のリフレッシュ
- 鼻づまり時の不快感軽減
などがあります。
タイでは、仕事中や勉強中に使う方も多く、リフレッシュアイテムとして定着しています。
タイ人ならではの使い方
タイでは、人によってかなり使い方に個性があります。
例えば、
- 鼻の下に少量塗る
- マスクに少し香りをつける
- 車内でリフレッシュ用に使う
など、日本人には少し驚くような使い方をしている方もいます。
ただし、製品によって用途は異なるため、使用方法は必ず確認することが大切です。
また、刺激が強い製品もあるため、初めて使用する場合は少量から試すことをおすすめします。
薬局スタッフの使い方
私自身も普段からヤードムを持ち歩いており、仕事中のリフレッシュや眠気を感じたときによく使用しています。
また、乗り物酔いや暑さなどで少し吐き気を感じた際に香りを嗅ぐと、不快感が紛れるように感じることがあります。
さらに、タイ人スタッフから「頭が重いときは、下部に入っている液体をこめかみに少量塗る使い方もあるよ」と教えてもらったことがあり、実際に試してみると、スーッとした清涼感で気分転換になったのが印象的でした。
店頭では、「鼻に深く入れないと効果がないですか?」というご質問をいただくこともありますが、ヤードムは軽く香りを吸うだけでも十分楽しめますし、塗る楽しみ方もあります。
タイでは人によって使い方もさまざまですので、刺激が強すぎない範囲で、ご自身に合った方法でヤードムを楽しんでみてください。
使用時の注意点
便利なヤードムですが、安全に使うためには以下の点に注意してください。
- 刺激が強いため、鼻の奥まで入れすぎず、軽く香りを吸う程度で使用しましょう
- 目や口、その他の粘膜部分には使用しないよう注意してください
- 強い香りや刺激に慣れてしまうことを避けるため、長時間の連続使用は控えましょう
- 小さなお子様への使用は慎重にしてください
- 刺激を感じた場合は使用を中止しましょう
また、
- 強い息苦しさ
- 胸痛
- 激しい頭痛
- 意識障害
などがある場合は、ヤードムだけで対応せず、医療機関を受診してください。
まとめ
タイのヤードムは、メントールやハーブの香りを活用した、タイならではのリフレッシュアイテムです。
- タイでは日常的に使われている
- 種類によって香りや刺激感が異なる
- 眠気覚ましや気分転換に使われることが多い
- 正しく使うことが大切
タイ旅行のお土産としてはもちろん、タイ文化を感じられるアイテムのひとつとして楽しめるのも魅力です。
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監修:ブレズ薬局

本記事は、タイ・バンコクを中心に多数の店舗を展開する「ブレズ薬局」の監修のもと作成されています。ブレズ薬局では、日本語通訳スタッフが常駐するアソーク店およびソイ33/1店をはじめ、日本人のお客様が安心して医薬品を購入・相談できる環境を整えています。「言葉が通じる安心感」から、在住者・旅行者問わず10年以上にわたり多くの日本人の皆さまにご利用いただいております。
また、ブレズグループではアソークとプロンポンにクリニックも併設しており、日本語通訳スタッフが常駐する中、気軽に受診できる体制を整えています。健康やお薬に関するお悩みがある方は、薬局・クリニックの両面からサポートいたします。


